やわやわとやまの旅 Vol.5を更新しました。今回は、富山名物「鱒寿司」について探りに、ますのすしミュージアムに行ってきました。

 

子どもの時分というものは舌も幼いのか、甘い、しょっぱい、辛い、苦いといった味覚を、表面で浅くしか受け止めていなかった気がする。普段の給食や、家で出される食事はその程度の味覚でも対応できるのだが、珍味や嗜好品となるととたんに理解が追いつかなくなり、スナック菓子やジュースに軍配があがってしまう。

海の幸に恵まれている富山では、魚介由来の珍味が多い。酒のアテとしてそれらを楽しんでいる父が、横目でみている私に「食べてみられま」(富山弁で「食べてみなさい」の意)と味見させるのだが、魚介系珍味というのは大抵生々しく匂いが独特なので、子どもだった私は一口もらうものの、「か、なんちゅう味け!」(「これは、なんて味だ!」の意)とウエッと口をゆがめ、ジュースで流し込むのがオチだった。

そんななかでも鱒寿司は、子どもの頃の私にとっては「他の珍味に比べれば食べられなくはないが、とりたてて喜んで食べるほどでもないもの」というなんともありがたみのない位置づけで、頂き物の鱒寿司をとくに感動もなく食べていた覚えがある。

鱒寿司とは、酢で味付けされたサクラマスとご飯を笹で包んだ押し寿司の一種で、富山の駅弁といえばこれなのだ。郷土料理ではあるが各家庭で作るような気軽なものではなく、かつては将軍家に献上されていたものだけあって、富山県民も人からお土産として頂いた物をときたま食すという、郷土料理のわりには高嶺の花な存在なのだ。

鱒寿司にはたいして思い出がないなあ、鮭おにぎりで充分だよ、と薄情なことを思いつつ大人になってから食べてみると、酢と塩がほんのり効いた柔らかい半生の鱒、そしてシャッキリと炊かれた富山県産コシヒカリが笹の清々しい香りに包まれて、奥行きのある酸味と塩気、そして甘みが口中に広がる。

 

なんと!実にうまいではないか!

なぜだ、なぜこんなうまいものを邪険にしていたのだ、子どもの頃の私よ。

鱒にあやまれ!

 

鱒寿司とのこれまでのディスコミュニケーションを挽回するべく、私はあわてて鱒寿司製造メーカーへと走った…

 

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やわやわ富山・金沢の旅