やわやわとやまの旅 vol.9「ひみつの赤玉 ー富山のくすりー」を更新しました。

「富山といえば薬売りだね」と言われることがある。
「薬売り」とは江戸時代から「売薬さん」といわれる人が、全国各地の家庭に常備薬として必要な薬を数種類置いていき、定期的に家を訪れては補充していくという配置販売業を指します。
これは「先用後利」という理念に基づき、薬を先に家庭に置いておき、使った分だけの後払いという画期的なもので、富山の医薬品産業が活性化した大きな柱となるシステムでした。

私が子どもの頃は、遠足などの出先で突然の腹痛を訴えるクラスメイトが、自ら持参した薬を飲み「『赤玉(あかだま)』もってきてよかった〜」と腹を撫で下ろし一件落着しているシーンが時々見受けられたものです。
幼い私は「よかったね、『赤玉』があって」となんの疑問もなくその友人の挙動を見守っていましたが、冷静に考えると

そもそも「赤玉」ってなに?

ヤバい薬の隠語なのではないか?

と思われても仕方がない我らが「赤玉」。
聞くところによると、それこそ腹痛向けの代名詞のような置き薬で、富山の多くの家庭に常備されていたようです。

赤玉の他にも置き薬にはいろいろな種類と歴史があり、なかでも「反魂丹」(はんごんたん)なるものは置き薬の中の置き薬、売薬界のメジャーリーガーで、江戸城に参勤交代した富山藩主が、腹痛を訴えた他藩の殿様に反魂丹を服用させたところ、たちどころに回復したという日本昔話のような逸話があります。

とはいえ、私の実家には置き薬があった痕跡もなければ、売薬さんが紙風船を持って来た思い出もなく、体調不良があれば普通に病院に行って処方された薬を飲んでいたし、常備薬も近所の薬局に母が買いに行っていたので、富山県出身でありながら昔話のようなミラクルにあずかれていません。

今となっては、反魂丹パワーに一度もお世話にならなかったことをなんだか素直に喜べないし、むしろ恥ずかしい事なのではないか? 私だって腹痛を富山の薬でたちどころに治したい!
そんなことが脳裏をよぎったため、今も薬種商を営んでいる、池田屋安兵衛商店にお邪魔しました。

続きはこちらで!
やわやわ富山・金沢の旅